1952年 アメリカ映画 ジーン・ケリー&スタンリー・ドーネン監督 (Singin’ In The Rain)
バック・ステージ”ものにヨワい。 子どもの頃から楽屋裏を見てきたからかな。 長い年月、がむしゃらにステージに立ってきたが、 この時世はエンタテイメントについて考える貴重な機会と信じる。 ハリウッド・ミュージカルのなかでも屈指の出来栄えである本作は、 映画表現がサイレントからトーキーに移行していく時代を舞台に、 作り手側の情熱があふれていて素直に泣ける。 叩き上げのコンビにはジーン・ケリーとドナルド・オコーナー、 ミュージカル・スターを夢みる娘にデビー・レイノルズ。
三人がなんとか新作映画を良いものにしたいとアイディアを出し合い、 雨の夜が明けていくシーンでの”GOOD MORNING” いつ観てもオコーナーの芸達者ぶりに圧倒される”MAKE A LAUGH” デビーが巨大なケーキのなかから飛び出して歌う ”ALL I DO IS DREAM OF YOU”などなど、すべてのシーンが名シーン!
憎まれ役のジーン・ヘイゲンも最高! すべてが懸かった重要な役を一手に引き受け堂々とこなす。 トーキーの始まりでは、映像と音声を合わせることが、 あれほど大変だったのだなあと、何度観かえしても泣き笑い! こんなに名シーンだらけなのに、 さらに雨の中のダンスを繰り広げたジーン・ケリー、 よほど体力あまっていたのかなあ・・・
本作より昔の”バック・ステージ”ものでは『四十二番街』(’33)がお気に入り。 まとめて観るのもミュージカル・ファンの愉しみかも。
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