No.398『鉄道員』大橋美加1月27日読了時間: 1分1956年 イタリア映画ピエトロ・ジェルミ監督『鉄道員』(Il Ferroviere)寸法の合わない上着を着た少年がせかせかと歩いていく。ぱっちりとした瞳、ふっくらとした頬。ジェルミ作品を支えたエドゥアルド・ネヴォラ、子役贔屓ではないが、この子の顔つきにはつい絆されてしまう。 鉄道機関士の武骨な父、慎ましい暮らしを遣り繰りする母。妊娠を機に嫁ぐ長女、身の振り方の決まらない長男。そして物語のマスコット的存在でありながら重要な役割を担ってゆく幼い末っ子。一家を見つめるまなざしは、寄り添いながらも冷徹であり、血を分けた家族でも分かり合えないもどかしさに満ちている。主人公の同僚に扮して愛嬌ある個性を発揮するのは『ゴッド・ファーザー』(’72)に於いて悲劇の若妻アポロニアの父親役を演じたサロ・ウルツィ。本作に無くてはならない役割を果たしている。
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