No.397『ディア・ハンター』大橋美加2025年12月29日読了時間: 1分1978年 アメリカ映画 マイケル・チミノ監督『ディア・ハンター』(The Deer Hunter) 牡鹿のまなざしが忘れられない。公開当時、新宿の大きな映画館で観た、我が青春の一作。映し出される山間の町。霧のかかる森には精霊が宿りそう。名手ヴィルモス・シグモンドのカメラワークが素晴らしい。 抒情的なテーマソングに浸りながらタイトルを観なおして、改めて時の流れを感じる。ファースト・ロールはロバート・デ・ニーロ。クリストファー・ウォーケンとメリル・ストリープはこんな小さな扱いだったのか。同じ町で生きてきた仲間同士には、性別を超えた愛しさがあるのだろうか。都会育ちの身には到底わかり得ないが、マイケルのニックに対する感情は、そう理解するべきなのだろう。延々と酒場で仲間たちが歌う"君の瞳に恋してる"延々と続くかの如き結婚式。観客は素朴で不器用な登場人物たちと時の流れを共有させられ、幕が切って落とされるように、戦場となる演出が衝撃的。エンド・クレジットでトップを飾るクリストファー・ウォーケンのエンジェリックな笑顔に、本作の全てが集約されている。
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