No.370『第十七捕虜収容所』大橋美加3月9日読了時間: 1分1953年 アメリカ映画ビリー・ワイルダー監督『第十七捕虜収容所』(STALAG 17) 寝床が並ぶ簡素な部屋に、むさ苦しい、いかつい男たちが犇めき合う、捕虜収容所。 戯曲をもとに名匠ビリー・ワイルダーが映像化した、シニカルな笑いとペイソスにあふれる名作である。 第二次世界大戦終結に向かう1944年12月。スイスに近いドイツの収容所内のアメリカ空軍の捕虜たち。 要領よく生き抜くセフトンを演じファースト・ロールを飾るのは、 本作でオスカー(主演男優賞)を手にした、ワイルダー監督お気に入りのウィリアム・ホールデン。 “アニマル“なる仇名を持つ大柄でコミカルなムード・メイカーに扮し、 強烈な印象を残すロバート・ストラウス。 社会派監督として著名なオットー・プレミンジャーが 収容所所長として出演しているところも注目すべき。 ささやかなクリスマスの宴で酔っぱらい、 小柄な相棒がベティ・グレイブルに見えちゃうアニマル、ケッサク! ラストの闇に響く若いクックが口笛で吹く “When Johnny comes marching home“の調べが心に残る。
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