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No.321『ストレンジャー・ザン・パラダイス』

1984年 アメリカ映画
ジム・ジャームッシュ監督

(Stranger Than Paradise)

アメリカ映画育ちの美加にとり、 ジャームッシュの出現は驚きだった。

男と女が出逢い恋に落ちる、

障害を乗り越え成功する、

だいそれた夢を叶える、

それがアメリカ映画だったのに・・・?




スクリーミン・ジェイ・ホーキンスの咆哮を携えて、

ロングコートの若い娘が歩いていく。

コワモテの従兄のアパートに泊まる。

その悪友らしき男がやってくる。

が…何も起きない!

なんだこりゃ?

でもでも、なんだかホッとする。

世の中、面白いことばかりじゃないが、

そんなに悪いことも起きないよねと、ちいさく嗤えるのだ。


主人公に扮するのは、ラウンジ・リザースのリーダーとして

本作のスコアも手がけるジョン・ルーリー。

ギャングの手下みたいに見えてしまう面構えに惑わされてはいけない。

奴らが口にする賭け馬の名前には小津映画のタイトルが忍ばされ、

ジャームッシュならではのオマージュと確信できる。


当時からキャリア・アスピレイションに興味がないと

言い放っていたジャームッシュの原点と呼べる本作、

当時の劇場パンフを取り出してみたら、

黒澤明・大島渚・永六輔・村上春樹などなどのコメントがずらり!

うわあ・・・とっておいてよかったあ!


そうそう、監督の弁護士の祖母であったという

起きあがり小法師みたいなロッテ叔母さんも、一見の価値あり。
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