『サムシング・ハプンズ・トゥ・ミー』
- 大橋美加

- 10月23日
- 読了時間: 2分
スペインの映画作家と言えば、真っ先に思いつくのがルイス・ブニュエル!
もっとも彼は様々な国で映画を作った人であり、
コスモポリタン的な柔軟さも持っていたわけだが、
表面に奥底に、どろどろと濃厚なテイストは一貫している。
スペインで映画を撮る作家で、ブニュエルを意識しない人はいないはず。



アントニオ・メンデス・エスパルサ監督作
『サムシング・ハプンズ・トゥ・ミー』のヒロインは、
職を失いタクシー運転手を始める中年女性。
ありきたりではない滑り出し。
トラウマを抱えながら、
生活に追われて自分の潜在意識に向き合う暇もない。
タクシーを流し、様々な客たちと交流しながら、
自分の心の襞に分け入っていくことになる。
主演のマレーナ・アルテリオは1974年生まれ。
撮影当時はギリギリ40代か、50歳になっていたのか。
濡れ場もいとわず、切迫感・緊迫感を放出する大熱演。
何処までが現実か、何処からが幻想か。
観客にうそぶく遣り口は、ブニュエル大先生に倣ったのだろうか。
監督:アントニオ・メンデス・エスパルサ
出演:マレーナ・アルテリオ、アイタナ・サンチェス=ヒホン、
ロドリゴ・ポイソン、ホセ・ルイス・トリホ、マリオナ・リバス、
マヌエル・デ・ブラスほか
2023 年/スペイン、ルーマニア/スペイン語/122 分/カラー/
アメリカンビスタ/5.1ch
原題:Que nadie duerma/字幕翻訳:杉田洋子
/R15+/配給:反射光/配給協力:エクストリーム
©UNA PRODUCCIÓN DE QUE NADIE DUERMA AIE - AVANPOST
オフィシャルサイト:https://something-happens.com
2025年10月31日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ 他
全国ロードショー!






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