No.390『追想』大橋美加31 分前読了時間: 1分 1956年 アメリカ映画アナトール・リトヴァグ監督『追想』(ANASTASIA)邦題はロベール・アンリコ作品と混同されがち。『アナスタシア』で良いのではと思う。舞台は1928年。皇女アナスタシア生存説をめぐる、陰謀とロマンスの物語。 ユル・ブリンナー扮するボーニンは、"アナスタシア"を創り上げ、彼女に遺された財産を手にしようと画策する男。イングリッド・バーグマン扮する謎めいた女を皇女に仕立て上げるプロットはピグマリオンさながらに顛末が見えてくる。初めて観たときは、ロマンスのほうに心が動いたが、なんと言っても見せ場はバーグマンと皇太后ヘレン・ヘイズの対峙シーン!演技合戦とは割り切りたくない感情に駆られ、何度観ても落涙。ラヴ・シーンの全く無いラヴ・ストーリーとして観ると、演出の粋が際立ってくるようだ。
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