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No.389『椿三十郎』


1962年 日本映画

黒澤明監督『椿三十郎』


観なおしてみると、見事にミニマルなコンセプト作品と思えてくる。




お堂、座敷、作り物の椿。

置き物みたいな奥方と令嬢。


三船敏郎演じる三十郎は野獣さながら、

このミニマル・ワールドを吠えまわる。


あたかも時間が勿体ないと言わんばかりに、

すかさず謎解きをしていく三十郎。


正義感はあれど未熟きわまりない九人の若侍とともに、

観客も考える余地を与えられないつくりが面白い。


悠長な奥方の台詞「本当に良い刀は鞘に収まっているもの」が

本作のキイワードであるなら、

三十郎のキャラクターや、

ラストの一騎討ちはパラドックスとも思えてくる。


『用心棒』(’61)の続編を乞われた黒澤監督の、

創意工夫が功を奏した逸品か。


台詞のみで示される、

“押入れ侍“小林桂樹と

“やんごとなき奥方“入江たか子のやりとり、

見せて欲しかったなあ…

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