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No.388『妻の心』

1956年 日本映画

成瀬巳喜男監督『妻の心』


“ヤルセナキオ“にしては、あっさり気味か?


成瀬巳喜男と高峰秀子のコラボといえば、

どうしても『浮雲』(’55)『女が階段を上がるとき』(’60)

『放浪記』(’62)などを想起してしまうから。



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空の広い商店街。

薬局を営む富田家を切り盛りする”デコさん”演じるヒロイン喜代子は、

小林桂樹扮する次男の嫁。

長男夫婦は東京で子を育てている。

喜代子には一見すぐに叶いそうに思える夢があるが、

なかなか一筋縄ではいかない。


夫へ、姑へ、兄嫁へ、歯に衣着せるでもないが、

本音をすべて吐き出せるわけでもない喜代子。

じれったさを絶妙な表情で演じる高峰秀子。


窮屈に生きるひとりの女性が、

人生の“priority“を自ずと決めてゆく過程を描いた秀作。

ラストの喜代子の笑顔にすべてが浄化されるよう。


三船敏郎が脇にまわり、

オトコの色気を添えるのが嬉しい。 児玉清の糟糠の妻でもあった北川町子が

芸者役で婀娜っぽい印象を残す。

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