No.381『地球最後の男 オメガマン』大橋美加6月16日読了時間: 2分1971年 アメリカ映画監督 ボリス・セイガル『地球最後の男 オメガマン』(THE OMEGAMAN)”映画女王”になりかけたことがある(笑)倅を妊娠中に出演したテレビのクイズ番組でのこと。 今は亡き山城新伍さん、景山民夫さん、芦屋小雁さんを始め、浜村淳さんなどのなか紅一点での出演であり、偶然にもどんどん正解をし、「今回は映画女王誕生か?」とのアナウンスがスタジオに響いた。結果は最後に浜村さんに抜かれ二位となったが、「『地球最後の男 オメガマン』で主人公が観ている映画のタイトルは?」という問題には、誰も答えられなかったことを思い出す。B級感に満ち満ちたディストピアSFである本作、決して映画通が観る作品ではない。美加も近年、漸く観るに至った。主演はチャールトン・ヘストン。原作はスピルバーグの出世作『劇突!』(’71)でも知られるリチャード・マシスン。人影の消えたL.A.の街、ひとり映画館に入る主人公。大勢の庶民がスクリーンのスターに見入るのが映画というものだが、此処では孤独な主人公が夥しい人々を観るというパンチライン、上映作品は『ウッドストック』(’70)である。ローテクならではの不気味さ、突っ込みどころを逆手に取る演出、当時としては珍しい白人男性と黒人女性のラヴ・シーンなどなど、掟破りの(笑)異色作と呼べる。”映画女王”になりかけたとき、おなかにいた我が倅は、のちに映画マニアとなる。胎教だあああああ!
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