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No.392『テオレマ』

1968年 イタリア映画
ピエル・パオロ・パゾリーニ監督
今年87歳で亡くなったテレンス・スタンプ、
眼は限りなく碧かったが、髪は何色だったのだろう?

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ロセッティの絵画を想わせる彫りの深い目元が 妖美を漂わせ、特殊な役柄が多かったためか、
作品により髪の色が異なる印象がある。
本作ではパゾリーニの嗜好からか
ダークブラウンに見える髪の色であり、
カメラが近づくと瞳の碧さがさらに際立つ。
ブルジョワ一家に忽然と現れた一人の青年が、
全てを変えてゆく。
神話的・宗教的な暗喩を含みながら、
瞬きの如くインサートされる土埃に、
やがては支配されてゆく一家の主人、
そしてメイド。
妻、息子、娘は何処へ向かうのだろう。
観客の心情を逆撫でするようなブラス・アンサンブルが、
観おわったあとも脳裏にこびりついて離れない。

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