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No.358『魂のジュリエッタ』

1965年 イタリア映画

フェデリコ・フェリーニ監督『魂のジュリエッタ』

(Giulietta degli spiriti)


ジュリエッタ・マシーナに一度だけお会いしたことがある。

1990年世界文化賞を受賞し、

嫌いな飛行機に乗ることとなった夫フェデリコ・フェリーニ監督に
付き添って来日したのだ。
記者会見に招ばれ

「フェリーニに会えるだけで夢みたいなのに

“ジェルソミーナ“にまで!」と歓喜したものだ。


フェリーニはふわふわとした声で質問をかわす、

如何にも天才肌に見えたが、

ジュリエッタはしっかり者の可愛らしい初老婦人という印象であった。

彼女が夫から与えられた役柄を

真摯にこなす妻であることが読み取れた気がした。


フェリーニ作品でジュリエッタが主演を務めたのは『道』(’54) 『カビリアの夜』(’57)

マルチェッロ・マストロヤンニと二枚看板『ジンジャーとフレッド』(’85)

そしてフェリーニ初のカラー作品である本作『魂のジュリエッタ』である。
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欲求不満の有閑夫人が見る極彩色の妄想。

フェリーニが具現化する、

カソリックの教えで育てられた少女に纏わりつく魑魅魍魎が超こわい!


セックス・コメディとホラーをないまぜにしたかのようなユニークな逸品。

ラストについて意見を交わすのも映画ファンの一興かと。

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