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No.346『戦火のかなた』

1946年 イタリア映画
ロベルト・ロッセリーニ監督
『戦火のかなた』(Paisà

2020年にスタートした 手持ちDVDを自宅で観なおす
"大橋美加のシネマフル・デイズ"。
"ア"に始まり丸4年が過ぎ、
現在"セ"の項だが、やはり戦争ものが多い。




優れた映画作家たちは、
どのようなアプローチで戦争映画を遺してきたかを
観なおす機会となった。

本作は、第二次世界大戦さなか1943年後半を舞台に、
イタリア各地での戦いを6篇のエピソードで綴った構成となっている。

逞しく生きる少年と黒人兵とのエピソード2、
若い兵士の夢想と、戦争の犠牲となった女性のエピソード3、
パルチザンの衝撃的な結末を見せつけるエピソード6、
やりきれなさにまみれる。

初めて観たときは寓話的にも感じられたが、
改めて観なおすとかなりリアルなシーンが多い。

劇的演出を避けながらも、
ずしんと臓腑に響くストーリー・テリング、さすがロッセリーニ。
脚本に後の巨匠フェデリコ・フェリーニの名が輝く。

酷い戦禍に散りばめられた様々な"想い"を
あらゆる角度から掬いとって見せてくれる力作である。

ロッセリーニ作品は"イ"の項で『イタリア旅行』(’54)
"ス"の項で『ストロンボリ』(’50)と、
妻であったイングリッド・バーグマン主演作を取り上げているので参照あれ。
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