大橋美加のシネマフル・デイズ
1988年 アメリカ映画 ジョナサン・カプラン監督
(The Accused)
二度と観ることはないと思っていた映画。
ジョディ・フォスターが26歳でオスカー(主演女優賞)を獲得したこともあり、
当時しきりと話題になった一作である。
公開時に観たきり30年以上を経て、今回観なおした。
実際の事件をもとにしているとはいえ、どこを切っても”商業映画”の作りである。
大袈裟な効果音、わかりやすいキャラクター設定、クロース・アップの数などなど。
素行不良に見える若い女性が数人から性的暴行を受け、
強姦か和姦かで騒然となるところまでは珍しくないストーリー。
本作のオリジナル・タイトルである”容疑者”は、暴行犯たちとは別とわかってくる。
レイプ事件を扱った映画は何作も観たが、ここからの展開が本作のポイントとなる。
ジョディは子役としてスタートし注目されたが、大人の女優としての地位が確立できず、
本作の筋金入りの汚れ役でその後の役者人生を決定づけた。
いやあ、ここまでやらないと駄目なのかと痛々しくもなる熱演!
当時ファースト・ロールであったケリー・マクギリスもジョディも、
現在は同性のパートナーを持っているらしいが、まさか本作のトラウマではないだろう。
格差社会についても深刻に考えさせられるストーリーであり、
’80年代の日本では感じることがなかっただけに、観かえすと心が重たくなる。
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