1979年 イギリス映画 ニコラス・ローグ監督
(BAD TIMING)
グスタフ・クリムトは好きな画家の一人だが、
彼の絵が象徴的に使用された映画が本作。 ウィーンを舞台に、デコラティヴで頽廃的な愛欲の顛末が、 あたかも万華鏡を覗くように散りばめられていく。
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男は精神分析医のインテリ。 アート・ガーファンクルが神経質な雰囲気を醸し出す。
女は少女っぽさの残る顔を厚化粧で覆い、
束縛を拒みながら破滅へ突き進む。
演じるのは本作が縁で ニコラス・ローグ夫人となったテレサ・ラッセル。
二人とも、まさに体当たりの演技。
ことにミュージシャンであるガーファンクルは
「ここまでやるか?」の全裸ベッドシーン!
愛憎の上塗りに、観客は息苦しくなってくる。
救いのない関係をやり過ごすために、 音楽が効いている。
トム・ウェイツで始まり、 ビリー・ホリデイで幕を閉じる物語。
今回、観なおしたところ、ビリーのヴォーカルは、
ラストの”It's the same old story“だけでなく、
”I'll be seeing you“も前半に少しだけ流れていることに、
改めて気づかされた。
20代のころ通い詰めた 「シネマスクエアとうきゅう」のオープニング作品としても
心にこびりついている一作である。