1961年 アメリカ映画 ジョン・ヒューストン監督
『荒馬と女』(The Misfits)
”ア”から始まる手持ちの名画、 まだまだ残り約100作! 自粛が伸びた分、いくらでもあるぞ~! 我が家の三階の資料部屋を探すうち、 亡き淀川長治先生ゆかりのパンフレットが見つかった。 おお!先生は本作をだいすきな作品として選んでいたのか!
実は1980年代リヴァイヴァル上映された際に劇場で観たときは、 大味な映画と感じていた。 クラーク・ゲイブル、マリリン・モンロー、 モンゴメリー・クリフトという 三大スター共演であるというだけかと。 しかし、それは単に、若さゆえの早計に過ぎなかったのだと、 今回久々に観なおして悟った!
イーライ・ウォラック扮する自動車修理工と、 セルマ・リッター扮する世話好き小母さんとのやり取りがゴキゲンな冒頭。 そして、高い窓から身を乗り出す肉付きの増した マシュマロのようなマリリンに、 イーライも我々観客も釘づけに! 浜辺のシーンでの一瞬のビキニ姿はお肉たぷたぷ、 ボッティチェリのヴィーナスも真っ青!
”離婚の町”リノで新しい人生を始めたい女と、 野生馬を捕獲し売りさばいて金儲けを目論む男たち、 まさに原題”THE MISFITS”!! ちやほやされても真に幸せにしてくれる男を捕まえられない ヒロインの孤独感と焦り、苛立ちを体現したマリリン、 そして老体に鞭打って馬と格闘、 老いに立ち向かう男を演じきった ゲイブルの遺作としても、 映画ファンには忘れられない一作ではないか。 マリリンとモンティへのジョークめかした ヒューストン監督の演出もあり。 コワモテ巨匠のアイロニーか?
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