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No.245『恋のロンドン狂騒曲』

更新日:2023年3月25日


大橋美加のシネマフル・デイズ 2010年 アメリカ映画 ウディ・アレン監督

(You will Meet a Tall Dark Stranger)


ニューヨークを描き尽くしたウディ・アレンは、

2005年からの一時期にヨーロッパで映画製作をしていた。

もとより、フェリーニやベルイマンへのオマージュとも呼ぶべき

作品も発表してきた経歴があり、当然の成り行きとも言える。

ハリウッド嫌いのウディらしい。


本作はロンドンを舞台に英国出身俳優を中心にキャスティングし、

ところ変われど男と女は変わらないと畳みかける。

ウディ作品には、大スターも出演を希望することで知られているが、

本作で注目すべきはオスカー俳優アンソニー・ホプキンスの初出演である。

70代にして老妻を捨て、若い娼婦まがいの女に走る役を楽し気に演じている。


ウディの”PREDICT”に対する揶揄のエピソードはこれまでにも多々みられるが、

今作ではオリジナル・タイトルからも、コミカルに活かされている。

テーマソングが”星に願いを”だからねえ!

なるようにしかならない人生を、アイロニーたっぷりに見せつけている。


バッファローみたいなジョシュ・ブローリンと魅力あふれるナオミ・ワッツの

まさしく”美女と野獣”ふうの夫婦のプロットがもっとも興味深い。

ガーシュウィン兄弟の歌曲”They All Laughed”の歌詞を想起させられるじゃないか!


最後に笑う者、泣く者を観客に委ねるところもウディらしい。


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