大橋美加のシネマフル・デイズ 2010年 アメリカ映画 ウディ・アレン監督
(You will Meet a Tall Dark Stranger)
ニューヨークを描き尽くしたウディ・アレンは、
2005年からの一時期にヨーロッパで映画製作をしていた。
もとより、フェリーニやベルイマンへのオマージュとも呼ぶべき
作品も発表してきた経歴があり、当然の成り行きとも言える。
ハリウッド嫌いのウディらしい。
本作はロンドンを舞台に英国出身俳優を中心にキャスティングし、
ところ変われど男と女は変わらないと畳みかける。
ウディ作品には、大スターも出演を希望することで知られているが、
本作で注目すべきはオスカー俳優アンソニー・ホプキンスの初出演である。
70代にして老妻を捨て、若い娼婦まがいの女に走る役を楽し気に演じている。
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ウディの”PREDICT”に対する揶揄のエピソードはこれまでにも多々みられるが、
今作ではオリジナル・タイトルからも、コミカルに活かされている。
テーマソングが”星に願いを”だからねえ!
なるようにしかならない人生を、アイロニーたっぷりに見せつけている。
バッファローみたいなジョシュ・ブローリンと魅力あふれるナオミ・ワッツの
まさしく”美女と野獣”ふうの夫婦のプロットがもっとも興味深い。
ガーシュウィン兄弟の歌曲”They All Laughed”の歌詞を想起させられるじゃないか!
最後に笑う者、泣く者を観客に委ねるところもウディらしい。