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No.97『永遠の子どもたち』

更新日:2023年5月5日

2007年 スペイン・メキシコ合作映画 J.A.バヨナ監督 (El Orfanato)

子どもの頃の記憶ほど、鮮明なものはない。 物事の意味がわからないだけに、観たもの、 聴いた音、触れた感覚は拭えない。 今でも、とても会いたいのは、 近所に住んでいた幼馴染みのSOUくんだ。 当時、母親が仕事を持っている家庭はごく少なかった。 我が母もSOUくんのお母さんも仕事を持ち、 お父さんの存在を確かめたことはなかった。

互いに”おばあちゃん子”であった。

『シェイプ・オヴ・ウォーター』(2018)で オスカーを受賞したメキシコの映画作家 ギレルモ・デル・トロが見出した、 バルセロナ出身のJ.A.バヨナの長編第一作である本作は、 ダーク・ファンタジーの様相をも呈しているが、 底辺にあるのは”子どもの魂”の物語と受けとれる。

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大きな樹のまえで目を覆い、ある言葉を唱えている女の子、 後ろには5人の子どもたち。 言葉が終わるまでに、少しずつ近づく子ら。 女の子が振り向くと、子らは動きを止める。 ひと目で、ああ、 ”だるまさんがころんだ”みたいな遊びなんだなとわかる。

成長したヒロインは嘗て自分が過ごした孤児院であった 建物を買い取り、医師である夫と、愛らしい男児とともに、 障害のある子どもたちのための施設を作る夢に邁進している。 謎めいた老女が現れるまえから、すでに一家のまわりには、 説明のつかない現象がうごめき始めている・・・

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バヨナ監督が本作の構想に、デボラ・カー主演、 ジャック・クレイトン監督作『回転』(’61)を挙げていることに感激! 娘時代に観て怖くてたまらなかった一作。 本作を公開時に観たとき、ラスト・シーンでは恐怖を超えた涙が止まらなかった。 母業の最中であったからか。 今回10数年ぶりに観なおし、 涙ではない大きな何かが心に降り立ち、寝付けなかった。

ロケーションも忘れ難い、稀有なゴシック・ホラーと呼べる一作である。

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