1994年 アメリカ映画 ティム・バートン監督
(Ed Wood)
初めて観たときは、中盤ですこしダレた。 本作の持つ独特のリズムに乗れなかったのだ。
二度目に観たときは、はからずも涙が出た。 三度目の今回は、トリビュートとはこういうものなのだと感じ入った。 映画は何度も観るのがいい。
”史上最低の映画監督”の異名を持つ エドワード・デイヴィス・ウッド・ジュニアのファンである ティム・バートンが、’50年代のハリウッドを黒白映画で描く。 映像の凝りようは流石マニアのバートン。
ティム・バートンのお気に入り俳優ジョニー・デップが、 エド・ウッドを楽しげに演じる。 いくら認められずとも、映画作りが三度の飯より大好きで、 映画を作っていれば幸せな男。 こういう人は、本業にしちゃいけないんだよね。 でもでも、ジョニーは惨めには演じない。
本作で往年の怪奇俳優ベーラ・ルゴシを演じきり、 オスカー(助演男優賞)に輝いたマーティン・ランドーが出色。 ベーラの登場シーンは何度観ても拍手もの! こういうセンスが、バートンは抜群なのよねえ!
ハリウッドに食い下がり、食い詰めるエド・ウッドが、
老優ベーラ・ルゴシに活路を見い出す。
夢に近づくためだけでなく、彼への憧憬が胸を打つ。
ヴィンセント・ドノフリオ扮するオーソン・ウェルズが登場するシーンは、
こちらもエドになりきってドキドキできるぞ。
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