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No.89『エヴァの匂い』

更新日:2023年5月5日

1962年 フランス・イタリア合作映画 ジョゼフ・ロージー監督 (Eva)

”Willow Weep For Me”(柳よ泣いておくれ)というジャズソングがある。 アン・ロネルが作詞作曲した切々たる悲恋歌であり、 ライヴで歌うときは、「女が作った、女のための恨み節」などと 前説をしている。 この歌が象徴的に使われた映画が、 ジャンヌ・モローが魔性の女に扮した『エヴァの匂い』である。

ジャンヌ・モローは老け顔であり、グラマーでもないが、 強烈なセックス・アピールがある。 男を見下し、ひれ伏させ、そして満足させる女エヴァを、 単なる美人が演じたら、全くつまらない。

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エヴァがご執心なのが、ビリー・ホリデイの”Willow Weep For Me” 男と泊るホテルで、徐にレコードを取り出し、 ターン・テーブルに乗せる。ビリーのねっとりとした声が拡散する。

本作でフィーチュアされるビリーのヴォーカルは、もう一曲”Loveless Love”がある。

JAZZYなスコアはミシェル・ルグラン。全編を頽廃的なムードが覆う。

エヴァがレコードを叩き割るシーンがある。 男を手玉に取る女が、アン・ロネルの歌詞に自身を置き換えたのだろうか。 ロージー監督は赤狩りでハリウッドから逃れ、ヨーロッパで秀作を遺した才人。 ハリウッド時代の『緑色の髪の少年』(’48)は ナット・キング・コールの”Nature Boy”が印象的な一作。 観かえしたい作品が、たくさんある映画作家なのだ。 

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