1993年 台湾・アメリカ合作 アン・リー監督
(The Wedding Banquet)
アン・リー監督は中国系アメリカ人で唯一、 アカデミー監督賞に2度輝いている映画作家。 作品を観つづけている美加だが、最も新鮮な魅力が感じられるのは、 やはり初期の”父親三部作”だろうか。 リー監督お気に入りの名優ラン・シャンが、 それぞれシテュエイションの異なる物語で ”父親”に扮した三部作のうち、本作はその二作目に当たる。
舞台となるのはニューヨーク。 奏でられるのは一風かわったトライアングル。 台湾人のビジネスマンと白人パートナーのゲイ・カップル、 グリーン・カード取得のためには手段を惜しまない台湾人女性画家。 そして、息子がゲイであることを露しらず、 「孫の顔が見たい」との一念でひとり息子に 結婚を急かす台湾人父母が海を渡って来ることに!
そういえば、長女の瑠奈が生まれたばかりのときに、 本作を観たのだなあ!長い年月を経て観かえし、随分と感慨が違う。 登場人物すべてが幸せにはなり得ない状況を設定し、 どう遣り繰りすれば好転するかを、アイロニーをまじえて描いてゆくリー監督。 飽きさせないストーリー・テリングで、”中国式結婚披露宴”という、 まさしく酒池肉林(?)を見せつける。 決して”YELLOW SKIN”はアメリカで優遇されないと知り尽くしている リー監督の誇りと鬱屈が、名優ラン・シャンにより体現もされている。
ちなみにアン・リー”父親三部作”は『推手』、
本作、『恋人たちの食卓』。いずれも観る価値ありの名作!
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