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No.74『ウエディング』

執筆者の写真: 大橋美加大橋美加

更新日:2023年5月5日

1978年 アメリカ映画 ロバート・アルトマン監督 (A Wedding)

群像劇の名手といえば、真っ先に挙げたいのが、ロバート・アルトマン。 郊外の緑のなか、白鳥のように羽根を広げる大邸宅での、 結婚披露宴に集う人々の人間模様を綴った一日の物語。 主人公を限定せず、登場する人々それぞれの キャラクターのエピソードがフィーチュアされ、 ぼんやり観ていると、ついていけなくなる! 本作で最も注目したいのは、サイレント時代からのスター 女優リリアン・ギッシュが重要な役を演じていること。

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それにしても、まともな人物が殆ど出てこない! 猥雑でシニカルで、身勝手で、 いやいや、こんな人たちにもピュアな時代はあったはずと、 アルトマンは締めくくる。巧いなあ!

ジャズ・ファンとしても知られ、生まれ故郷を舞台にしたジャズの映画 『カンサス・シティ』(’96)も作ってくれたアルトマン。 ”グランドホテル形式”と呼ばれている群像劇の手法に、 ヴァリエイションを与えた功績は大きく、 才気ほとばしる『ショート・カッツ』(’93)などは好例といえる。 先ごろ亡くなったジャズ・シンガー、アニー・ロスも出演、 サウンド・トラックにも参加していた作品であり、観なおすのが、待ち遠しい!

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