1978年 アメリカ映画 ロバート・アルトマン監督
(A Wedding)
群像劇の名手といえば、真っ先に挙げたいのが、ロバート・アルトマン。 郊外の緑のなか、白鳥のように羽根を広げる大邸宅での、 結婚披露宴に集う人々の人間模様を綴った一日の物語。 主人公を限定せず、登場する人々それぞれの キャラクターのエピソードがフィーチュアされ、 ぼんやり観ていると、ついていけなくなる! 本作で最も注目したいのは、サイレント時代からのスター 女優リリアン・ギッシュが重要な役を演じていること。



それにしても、まともな人物が殆ど出てこない! 猥雑でシニカルで、身勝手で、 いやいや、こんな人たちにもピュアな時代はあったはずと、 アルトマンは締めくくる。巧いなあ!
ジャズ・ファンとしても知られ、生まれ故郷を舞台にしたジャズの映画
『カンサス・シティ』(’96)も作ってくれたアルトマン。
”グランドホテル形式”と呼ばれている群像劇の手法に、
ヴァリエイションを与えた功績は大きく、
才気ほとばしる『ショート・カッツ』(’93)などは好例といえる。
先ごろ亡くなったジャズ・シンガー、アニー・ロスも出演、
サウンド・トラックにも参加していた作品であり、観なおすのが、待ち遠しい!
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