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No.72『失われた週末』

更新日:2023年5月5日

1945年 アメリカ映画 ビリー・ワイルダー監督 (The Lost Weekend)

ビリー・ワイルダーはご贔屓の映画作家。 ストーリーテリングではハリウッド史上、未だ右に出る者はないと信じる。 空をビルが埋めてゆくニューヨークの景色、一軒のビルにカメラが近づくと、 おや?窓から何か、ぶらさがっている! テルミンが不気味に響き、アルコール中毒である主人公の、 週末の物語が始まる。

レイ・ミランド扮する主人公は、売れない作家であり、 苛立ちから酒びたりの日々。 兄が養い、キャリア・ウーマンの恋人もいる贅沢者。 主人公は見捨てられないまま、まわりの期待を裏切り続ける。 甘ったれぶりが似合うレイ・ミランド。 主人公の心の葛藤とあやふやな記憶、そしてフラッシュ・バックと繋げる脚本が見事。 小道具の工夫、鏡や影の演出もさすがワイルダー!

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のっぺりとした二枚目のミランドは、本作でオスカーを獲得した。 今は亡き淀川長治先生が、 「彼はそれまで、大根役者と言われていたのね、     でも酔っぱらいを演じてアカデミー賞をとったのね」 と語っていらっしゃったっけ・・・以降、 男優がオスカー・ノミニーとなり易い役柄は、 暫くの間”アルコール中毒患者”であったそう。

お酒だいすきな美加ゆえ、 アルコール中毒患者が主人公の映画はとても興味深い。 だって、飲むお酒がちがいすぎる。 ハリウッド映画のアル中たちは、「まず、ビールで乾杯」なんてしない。 そして、飲んでいてたのしそうではない!

”大根役者”とは絶対に言われなかったであろう 名優ジャック・レモンも『酒とバラの日々』でアルコールに溺れていく主人公を演じた。 鬼気迫る名演であったが、本作ではオスカーを獲れなかった。 上手く演じすぎたのかもね・・・ 

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