1955年 日本映画 黒澤明監督
自粛生活スタートから、 手持ちのDVD名作を”ア”から観かえしてきたが、 128作あった”ア”に比べ、”イ”から始まる作品は50作しかないため、 20作目である本作を最後に、”ウ”に移ろうと思う。
黒澤作品はほぼ全作を観てきたはずだが、手持ちは多くなく、本作は随分まえに 一回映画チャンネルで観たきり。”男性”の塊りのようなイメージの三船敏郎が、 35歳にして60歳の老人を演じる。
当時は”老人”と記されたこの主人公だが、 本妻のほか三人の妾を持つ男であり、扶養家族は少なく見積もっても (画面に登場しない正妻の長男・長女・次男の子を入れず)15人! 米ソの核軍備競争や反核世相に触発され、 原水爆の恐怖に憑りつかれた主人公は、 全財産を投げうち、ブラジルに一家大移動を企てるが・・・
地球規模のテーマを、家族劇として見せる面白さ。 これまで好き放題に生きてきた主人公の錯乱と、 地道にあとを継いできた子どもの世代の確執。さて、救われるのは誰? けだるいサックスをフィーチュアした 早坂文雄のスコアは、映画音楽としての遺作となった。
次回からは”ウ”で始まる手持ちの映画を観なおしていきます!
さあ、何があるかなあ・・・
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