1967年 アメリカ映画 スタンリー・ドーネン監督
(Two For The Road)
痩せ型のオードリー・ヘプバーンは老けるのが早かったが、 30歳以降はいくつかの人妻役に挑み、映画ファンを楽しませてくれた。 時の止まった”妖精”ではなく、人生を生きる”妖精”としても、 スクリーンに軌跡を遺したといえる。
本作は、そんなヘプバーンが最も役者としての演技を求められ、 応えた一作と信じる。 一組の夫婦の道程を、 遊び心をふんだんに盛り込んで仕上げた意欲作。 ”ア”の項で紹介したベルイマン作品『ある結婚の風景』の アメリカ版と言っても良いだろうか。 本作は、そんなヘプバーンが最も役者としての演技を求められ、 応えた一作と信じる。
往年に観たときは、めまぐるしいフラッシュ・バックに落ち着かなかったが、 何回も観ると感慨の増す一作。 但し、結婚生活を経験したことのある人のみ!
記憶は万華鏡のようにくるくるとめぐり、突然に戻っても来る。 まさしく、フラッシュ・バック。行き違いをいつまでも悩んだり、 恨んだりするのは馬鹿々々しい。夫婦を続けるなら、いちいち、 いちゃいちゃ仲直りすればいい。本作の夫婦のようにね!
ヘプバーンの夫に扮するアルバート・フィニーは 実年齢は7歳年下だが、 がっちり体型とアクの強いしゃがれ声により、 同年か年上に見える。 中年以降も、コーエン兄弟、ティム・バートン作品などでも 脇を固めた個性派。 ”ア”の項で紹介した作品では 『アニー』のウォーバックス役がある。
テーマソング”Two For The Road”は、名匠ヘンリー・マンシーニの最高傑作、
ジャズ・ヴォーカル・ヴァージョンも多い。
でもでも、やはり本作のサウンド・トラックとして流れるのが最高だなあ!
出だしの4小節で涙でちゃうものねえ!
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