top of page
執筆者の写真大橋美加

No.66『いつも2人で』

更新日:2023年5月5日

1967年 アメリカ映画 スタンリー・ドーネン監督 (Two For The Road)

痩せ型のオードリー・ヘプバーンは老けるのが早かったが、 30歳以降はいくつかの人妻役に挑み、映画ファンを楽しませてくれた。 時の止まった”妖精”ではなく、人生を生きる”妖精”としても、 スクリーンに軌跡を遺したといえる。

本作は、そんなヘプバーンが最も役者としての演技を求められ、 応えた一作と信じる。 一組の夫婦の道程を、 遊び心をふんだんに盛り込んで仕上げた意欲作。 ”ア”の項で紹介したベルイマン作品『ある結婚の風景』の アメリカ版と言っても良いだろうか。 本作は、そんなヘプバーンが最も役者としての演技を求められ、 応えた一作と信じる。

往年に観たときは、めまぐるしいフラッシュ・バックに落ち着かなかったが、 何回も観ると感慨の増す一作。 但し、結婚生活を経験したことのある人のみ!

いつも二人で.jpeg
いつも二人で②.jpeg

記憶は万華鏡のようにくるくるとめぐり、突然に戻っても来る。 まさしく、フラッシュ・バック。行き違いをいつまでも悩んだり、 恨んだりするのは馬鹿々々しい。夫婦を続けるなら、いちいち、 いちゃいちゃ仲直りすればいい。本作の夫婦のようにね!

ヘプバーンの夫に扮するアルバート・フィニーは 実年齢は7歳年下だが、 がっちり体型とアクの強いしゃがれ声により、 同年か年上に見える。 中年以降も、コーエン兄弟、ティム・バートン作品などでも 脇を固めた個性派。 ”ア”の項で紹介した作品では 『アニー』のウォーバックス役がある。

テーマソング”Two For The Road”は、名匠ヘンリー・マンシーニの最高傑作、 ジャズ・ヴォーカル・ヴァージョンも多い。 でもでも、やはり本作のサウンド・トラックとして流れるのが最高だなあ! 出だしの4小節で涙でちゃうものねえ!

閲覧数:1回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comentários


bottom of page