1967年 アメリカ・イギリス映画 ジェームス・クラヴェル監督
(To Sir, with Love)
「映画に言葉はいらない」とチャップリンは教えてくれたが、 言葉を愉しむ映画もあって良い。 シドニー・ポワティエ主演作品を観るたび、 心地よく歯切れのよい台詞回しに酔いしれる。 知的なイメージの黒人俳優として道を切り拓いてきた ポワティエならではの、唱えるような台詞回し。 加えて、スーツの似合うすらりとした長身ときらめく笑顔は、 すこぶる映像的であるから、 もうそれだけでエンタテイメント性十分。
ほんとうに久しぶりに本作を観かえした。 初めて観たのは’70年代のリヴァイヴァル上映かなあ。 青春の真っ只中であったはず。
ポワティエ扮するマーク・サッカレーが赴任した ロンドンの中学校には、貧しい家の生徒ばかりが在籍。 帰宅しても仕事や手伝いがあるため、とうぜん勉強はできない、 きちんとした言葉遣いもできない者ばかり。 そこで、ポワティエの台詞回しが活きてくる! 学園ものの先駆け的映画ではあるが、 ありがちなプロットが並ぶのは否めない。 でもでも、ポワティエがかっこいいから、 気持ちがいい、スカッとする。ラスト・シーンもゴキゲン!
黒人男優にして初のオスカーに輝いた『野のユリ』(’63) ”My name is Mr.Tibbs”のキメ台詞にこころ奮い立つ『夜の大捜査線』(’67) 美加のレパートリーでもある”The Glory of Love”が テーマソングとして使われた『招かれざる客』(’67) ’60年代のポワティエ作品、観なおしたくなっちゃうなあ!
ちなみにオスカーを受けた
二人目の黒人俳優デンゼル・ワシントンは、
授賞式でアリーナ席にいるポワティエに向け、
トリビュートの言葉を捧げたっけ・・・!
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