No.63『イヴの総て』
- 大橋美加
- 2020年8月9日
- 読了時間: 2分
更新日:2023年5月5日
1950年 アメリカ映画 ジョゼフ・L・マンキーウィッツ監督
(All About Eve)
女優たちの個性を愉しむ映画である。 主演は当時すでに大女優であったベティ・デイヴィス。 細面に大きな、おおきな目 (三白眼で、ぱっちりと言うよりギョロリ)が 一度見たら忘れられない。 ハリウッドには無難な美人が圧倒的に多かった時代に、 超個性派と言える。 デイヴィスが扮するのは40歳になったブロードウェイのスター、マーゴ。 これはもう、迫力満点の名演! セカンド・ロールはタイトルとなったイヴに扮するアン・バクスター。 大女優に近づき、地位を乗っ取る若い娘の代名詞となった”EVE”役であるから、 インパクトがあり過ぎないほうが良い。
ブロードウェイの内幕を暴露したストーリーがオスカー6部門を 獲得しながら、女優陣には受賞なしという皮肉、 こちらも裏工作ありかと、邪推したくなる。


無名時代のマリリン・モンローが イヴに負ける女優の卵として登場することは知られているが、 今回、観なおし、名脇役セルマ・リッターが、 うわあ、ここにも居ましたかの存在感発揮! 往年はスターであったが、現在はマーゴの付き人となっているオバサン役で、 虎視眈々とスターの座を狙うイヴの本性を最初から見抜いている! うまいなあ、日本でいえば、山岡久乃さんみたいなタイプといえばいいのかな。
ベティ・デイヴィスは中年以降も名演を遺している。
こわいこわ~い『何がジェーンに起こったか?』(’62)
リリアン・ギッシュ共演『八月の鯨』(’87)などなど、
また観かえしてみよう!
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