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No.62『イマジン』

更新日:2023年5月5日

2012年 ポーランド・ポルトガル・仏・英 合作映画 アンジェイ・ヤキモフスキ監督 (Imagine)

白状を持たずに歩ける盲目の男。 彼に惹かれる盲目の女。彼らを取り巻く盲目の子ら。

ポーランドのアンジェイ・ヤキモフスキが”反響定位”を題材に、 実際に盲人である子どもたちを起用した稀有な作品。 きわめて寓話的かつロマンティックなところが興味深い。 リスボンにある、古風なたたずまいの診療所。 古い修道院が無償で建物を提供し、 世界各国から集まった視覚障害者たちに治療や トレーニングを行っている。 ひとりの若い男がやってくる。白状を持たず、 全く目のまえの状況を把握しているように振る舞う男イアン。

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本作を観て初めて知った”反響定位”という方法。 イアンは舌を鳴らし、指を鳴らし、白状なしで自在に歩く。 端正な面差しをよく見ると、額や頬に細かい傷や痣が見受けられる。 ”反響定位”の会得者であっても、時には物にぶつかったり、 転んだりしている証拠だ。子らはイアンに興味津々、 「あの先生、ほんとうは見えるんじゃない?」と。 ブロンドと美脚をもつ孤独な外国人エヴァも、 イアンの自由さに憧れはじめる・・・

ポーランドはアンジェイ・ワイダを始めとして、”ア”の項で紹介した異色傑作 『アンナと過ごした4日間』のイエジー・スコリモフスキ、 クシシュトフ・キエシェロフスキ他、 名作・名匠が名を馳せる映画大国であるが、 自国での映画製作が主流。

ポルトガルに各国から俳優を集めて 映画製作をしたポーランド人作家は、ヤキモフスキが初めてではないか。

美加の生涯の一冊にサン・テグジュペリの『星の王子様』がある。 「本当に美しいものは目に見えない」という言葉を、 この映画は想い起こさせてくれる。

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