1988年 日本映画 大林宣彦監督
最愛の祖母が亡くなったのは、1997年。 下の倅が2歳になろうとしている時だった。 4歳であった上の娘は「ひいばあちゃん遊ぼう」などと、ままごと道具を広げたり。 お姫様のように大事に育ててくれた祖母に、 曾孫の顔を見せることしか、恩返しは出来なかった。 今でもたまに夢に出てきてくれる。弱った晩年でなく、 お母さん替わりをしてくれた50代から60代の元気でやさしい姿。 2016年に我が父・巨泉が亡くなり、当初は良く夢を見たが、 最近はたと見なくなった。何故だろう。魂も、眠ったり、目覚めたりしているのかな。
社会的には成功している傲慢な中年男(風間杜夫)が、 あの世の者たちと出逢う不思議なひと夏を描いた本作は、 大手映画会社制作。 インディーズ魂を貫いてきた 大林監督作品のなかでは極めて異色と言える。 主人公が12歳のときに交通事故でいっぺんに亡くなってしまった父母に扮する、 片岡鶴太郎と秋吉久美子がハマリ役。 江戸弁の巻き舌で活きの良さを発揮する片岡には 演技を超えた味わいがあり、観るたびにほろりとする。 舞台となる浅草は我がヴォーカル・クラス『アート石井』の近所であり、 大橋の実家は両国で”べらんめえ”一族ゆえ、親しみが湧かないはずはない。 ロケとセットの”ルック”も巧みに同一化されて居り、
主人公とともに、ノスタルジックな異界に足を踏み入れそうになる。 そうそう、オヤジは裸眼、 息子は老眼鏡でのキャッチボール・シーンもあったっけ・・・
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