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No.46『赤い矢』

執筆者の写真: 大橋美加大橋美加

更新日:2023年5月12日

1957年 アメリカ映画 サミュエル・フラー監督 (Run of the Arrow)


”ア”から始まる手持ちのサミュエル・フラー作品を見つけたので、 紹介しておきたいと思う。 我が国では”B級映画監督”としてカルト的地位を保持しているが、 ゴダールはじめ欧州では別格の価値を与えられている映画作家。

1865年4月9日、南北戦争に於ける最後の弾丸を北軍将校に打ち込んだ、 南軍狙撃兵主人公オミーラが登場する。 演じるのは、アクの強い演技派ロッド・スタイガー。 ヤンキー(北軍)と共存したくないこの主人公は、 「西部へ行き、先住民と共存してゆくほうが良い」と 母や仲間に豪語し、スー族と通じることとなる。

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圧倒的な景観。フラーは低予算で撮影期間の短いことが知られるが、 見せること、魅せること。 ”走り矢の刑”と名付けられた、究極の拷問が繰り広げられる! 表向きは”白人”の立場を返上し、 スー族の身内になったかと思えるオミーラだが、 果たして白人は先住民になりきれるのか。

途中、”ブルー・バッファロー”と名乗る、 目を見張るほどの肉体美の先住民の顔を見てはっとする。 あ!チャールズ・ブロンソン! うわあ、そうだった、想い出した! この時世でなければ、本作を観なおしていないよねえ! ラストは観客に委ねるというフラーの言葉、さあ、どう観る?

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