No.383『地下鉄のザジ』
- 大橋美加
- 6月28日
- 読了時間: 1分
1960年 フランス映画
ルイ・マル監督
『地下鉄のザジ』(Zazie dans le métro)
おかっぱ頭の細っこい女の子が画面を走りまわる。
ぴしゃぴしゃ殻を皿に放りながら、ムール貝を貪る。
露店に積まれた衣類の中からジーンズを見つけ出し、
スカートの下から履いちゃう。
追いかけるのは七変化のヒゲおじさん。



器用なルイ・マルがレイモン・クノーのポエティック・ノヴェルを、
スラプスティック・コメディのテイストで仕上げた一作。
“見せ消ち“みたいなタイトルにも苦笑する。
本来なら同情されるべき立場の少女ザジを
これでもかと画面にのさばらせ、
最後の最後にチクリと痛む台詞を言わせる。
それにしても、名優フィリップ・ノワレの女形、観たかったなあ…
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