No.380『沈黙の女 / ロウフィールド館の惨劇』大橋美加7 日前読了時間: 1分 1995年 フランス映画クロード・シャブロル監督『沈黙の女 ロウフィールド館の惨劇』(La Cérémonie)人間の恐ろしさがじわじわと迫りくる問題作。郊外の広大な敷地に羽根を拡げる豪華な邸。再婚同士である年かさの財力ある夫と美しい妻。夫の連れ子である魅力的な娘と、まだ無邪気さの残る、妻の連れ子の息子。絵に描いたような家族に加わる、ひとりのメイド。おとなしく実直そうでありながら、人に言えない何かを抱えているようなこの女ソフィーは、素行の悪い女ジャンヌに親近感を抱くようになる。ソフィーにサンドリーヌ・ボネール、ジャンヌにイザベル・ユペール、最強の演技派二人が揃い、物語を波立たせてゆく…シャブロルの出世作『いとこ同志』(’59)をも凌駕する、衝撃的などんでん返し!あまりのショックに、悪夢を見ているような錯覚にさえ陥る!人間の狂気は瞬時に生まれ、凶行へとひた走るのか。ラジカセから流れる音声により、観客に悪夢を反芻させる、監督の追い討ちも憎い。
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