No.371『脱出』大橋美加3月22日読了時間: 1分1944年 アメリカ映画ハワード・ホークス監督『脱出』(To have and have not)シルク糸のようなブロンドに、きりりとした上目使いのローレン・バコールが、サッと煙草に火をつける。何と、当時21歳!バコールの映画デビュー作であり、のちに伴侶となるハンフリー・ボガートとの初共演となった本作。舞台となるのは、1940年、フランス領マルティニーク島、フォール・ド・フランス。ボギー扮するハリーは釣り船の船長として気ままに暮らしている。相棒は名脇役ウォルター・ブレナン演じる酔っぱらいのエディ。名曲『スターダスト』『我が心のジョージア』などの作曲者として著名なホーギー・カーマイケルが、ホテルのピアノ弾き語りクリケット役で、芸達者なところを見せてくれるのも嬉しい。ヘミングウェイのロマンティシズムをボギーとバコールで具現化したハワード・ホークス監督。ジャズソングも楽しめる、味わい深い一作である。
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