top of page

No.370『第十七捕虜収容所』

執筆者の写真: 大橋美加大橋美加
1953年 アメリカ映画
ビリー・ワイルダー監督
『第十七捕虜収容所』
(STALAG 17)
寝床が並ぶ簡素な部屋に、むさ苦しい、
いかつい男たちが犇めき合う、捕虜収容所。
戯曲をもとに名匠ビリー・ワイルダーが映像化した、
シニカルな笑いとペイソスにあふれる名作である。



第二次世界大戦終結に向かう1944年12月。
スイスに近いドイツの収容所内のアメリカ空軍の捕虜たち。
要領よく生き抜くセフトンを演じファースト・ロールを飾るのは、 本作でオスカー(主演男優賞)を手にした、
ワイルダー監督お気に入りのウィリアム・ホールデン。
“アニマル“なる仇名を持つ大柄でコミカルなムード・メイカーに扮し、 強烈な印象を残すロバート・ストラウス。
社会派監督として著名なオットー・プレミンジャーが 収容所所長として出演しているところも注目すべき。
ささやかなクリスマスの宴で酔っぱらい、 小柄な相棒がベティ・グレイブルに見えちゃうアニマル、ケッサク!
ラストの闇に響く若いクックが口笛で吹く “When Johnny comes marching home“の調べが心に残る。

Comments


bottom of page