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No.368『第三逃亡者』

執筆者の写真: 大橋美加大橋美加

1937年 イギリス映画
アルフレッド・ヒッチコック監督『第三逃亡者』
(Young and Innocent)

ホテルのラウンジで演奏しているビッグバンドに、
俯瞰で近づいていくカメラ。
「管楽器は弦楽器と持ち替えなんだ、大変だな」
「あれ、ミンストレルみたいに白人が顔を黒く塗っている?」
「あのドラマー、変な表情、あっ!あの表情は…」




90年近く昔のカメラワークでありながら色褪せないヒッチ・マジック!
“マダムうけ“する巻き込まれ型の主人公と、 観察眼の鋭い警察署長の娘の逃避行。
オリジナル・タイトルにある
“Young and Innocent“のヒロインに扮するのは
ヒッチ作品『暗殺者の家』(’34)のノヴァ・ピルビーム、 撮影当時17〜18歳。

ヒッチとしては成長したノヴァを見せたかったのか、
わざと実年齢より上に見える装いが施されている。
初恋らしき感情を持て余しながら、けなげに主人公を助けていく姿が初々しい。

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