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執筆者の写真大橋美加

No.351『卒業』

1967年 アメリカ映画 マイク・ニコルズ監督

『卒業』(The Graduate)


青春はすべてを冒涜する。

そして、しっぺ返しを食う。

ベンジャミンの叫び。エレインの叫び。




究極に最悪なシチュエイションに見えるが、

当然の成り行きかも知れない。

エレインは20年まえのミセス・ロビンソンなのだから。


猥雑なものに見せかけの涙は流すが、

ことの大きさには怖じずに飛び込んでいく女。

そのひたむきさに、男は魅せられていくしかない。


本作はたぶん名画座で観たはずで

立派なパンフレットを持っている。

サイモン&ガーファンクルはプライヴェイトでは聴かないが、

未だに本作オープニングの”Sound of Silence”の

ギターのイントロだけで涙腺がゆるむ。


何回目かに観なおして、

アン・バンクロフト扮するミセス・ロビンソンが

アニマル柄の愛好者と気づいた。

トラ柄のミニスカートが似合う中年悪女、

怖ろしいけど、カッコイイ。


2020年4月に、手持ちの映画を”ア”から観なおし始めた

"大橋美加のシネマフル・デイズ”

”ソ”から始まる手持ちの映画はこれまでで最も少なく16作しかない。

なんと”ア”の10分の1!次はどれにしようか・・・
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