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No.347『青春群像』

1953年 イタリア映画 フェデリコ・フェリーニ監督

『青春群像』(I Vitelloni)


”フェリーニ風”を知っている?

美加が名付けた、あのヒュウヒュウ音のする作り物の風。

あの風が吹き始めたのが本作、『青春群像』からか。




モラトリアムの悪友たち。

実は群像劇の中心に居る童顔のモラルド以外は

皆オジサンに見えて可笑しい。


ニーノ・ロータのテーマを口笛で奏でるファウスト。

懲りない”WOMANIZER”というタイプ。


不思議な少年グイドとモラルドの交流。

グイドが線路をあぶなっかしく歩いていく後ろ姿。

"グイド"という名は

唯一無二の大傑作『8 1/2』(’63)に引き継がれてゆく。


思えば、『甘い生活』(’60)以降のフェリーニ芸術を

導き出す礎となったのが本作ではないかと思える。


何処へいくのか、何をするのか、

白紙のままで故郷を捨てなければならないときがあると、

本作を観て知った。


何度観なおしても涙し、

涙を拭って前を向かせてくれる、

普遍的なラスト・シーンである!
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