大橋美加8月11日No.345『世代』1954年 ポーランド映画 アンジェイ・ワイダ監督『世代』(POKOLENIE)ポーランドという国については、 ワイダ作品を通して興味を持った。15~16作品くらいは観ているだろうか。初めて観た『灰とダイヤモンド』(’58)は、 殊に忘れ難い作品。本作はそれに遡る、ワイダ長編第一作。舞台はドイツ軍占領下のポーランド。ワルシャワ郊外の貧しい地区に母と暮らす青年スタフは、街頭で抵抗運動の演説をする若い女性ドロタに惹かれてゆく。若者を駆りたてるものは何だろう?正義感か、情熱か、恋か、本作の邦題に提示される”世代”も然り。恋情がきっかけで 抵抗運動に加わるスタフ。恋はあくまで見せかけであろう ドロタ。螺旋階段で壮絶な最期を遂げる ヤショ。「時代は繰り返す、 お前らも同じ目に遭う」と言った彼の老父。印象的な画像を叩きだすワイダの演出が、すでに光を放ち始めている本作。20代前半の ロマン・ポランスキーが役者としてのみ出演しているのも見もの。「セレナーデの意味を知っている?」とうそぶく、ドロタの大きな瞳が哀しい。
1954年 ポーランド映画 アンジェイ・ワイダ監督『世代』(POKOLENIE)ポーランドという国については、 ワイダ作品を通して興味を持った。15~16作品くらいは観ているだろうか。初めて観た『灰とダイヤモンド』(’58)は、 殊に忘れ難い作品。本作はそれに遡る、ワイダ長編第一作。舞台はドイツ軍占領下のポーランド。ワルシャワ郊外の貧しい地区に母と暮らす青年スタフは、街頭で抵抗運動の演説をする若い女性ドロタに惹かれてゆく。若者を駆りたてるものは何だろう?正義感か、情熱か、恋か、本作の邦題に提示される”世代”も然り。恋情がきっかけで 抵抗運動に加わるスタフ。恋はあくまで見せかけであろう ドロタ。螺旋階段で壮絶な最期を遂げる ヤショ。「時代は繰り返す、 お前らも同じ目に遭う」と言った彼の老父。印象的な画像を叩きだすワイダの演出が、すでに光を放ち始めている本作。20代前半の ロマン・ポランスキーが役者としてのみ出演しているのも見もの。「セレナーデの意味を知っている?」とうそぶく、ドロタの大きな瞳が哀しい。
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