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執筆者の写真大橋美加

No.345『世代』

1954年 ポーランド映画 アンジェイ・ワイダ監督
『世代』(POKOLENIE)

ポーランドという国については、 ワイダ作品を通して興味を持った。
15~16作品くらいは観ているだろうか。
初めて観た『灰とダイヤモンド』(’58)は、 殊に忘れ難い作品。
本作はそれに遡る、ワイダ長編第一作。



舞台はドイツ軍占領下のポーランド。
ワルシャワ郊外の貧しい地区に母と暮らす青年スタフは、
街頭で抵抗運動の演説をする若い女性ドロタに惹かれてゆく。

若者を駆りたてるものは何だろう?
正義感か、情熱か、恋か、
本作の邦題に提示される”世代”も然り。

恋情がきっかけで 抵抗運動に加わるスタフ。

恋はあくまで見せかけであろう ドロタ。

螺旋階段で壮絶な最期を遂げる ヤショ。

「時代は繰り返す、 お前らも同じ目に遭う」と言った彼の老父。

印象的な画像を叩きだすワイダの演出が、
すでに光を放ち始めている本作。

20代前半の ロマン・ポランスキーが
役者としてのみ出演しているのも見もの。

「セレナーデの意味を知っている?」とうそぶく、
ドロタの大きな瞳が哀しい。
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