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No.344『戦場のメリークリスマス』

1983年 日・英・新・豪 合作映画
大島渚 監督
『戦場のメリークリスマス』 (Merry Christmas,Mr.Lawrence)
 
封切りに大きなスクリーンで観て以来、
ずっと心に引っかかっている映画である。
 
悶々とするヨノイの矢鱈に濃いアイメイク。
 
素頓狂な物言いのハラ軍曹。
 
朱赤のハイビスカスを むしゃむしゃ食べてしまう セリアズ。
 



40年余を経て観なおし、
往年より心うごかされた 自分に驚く。
 
戦争という狂気から生まれる 稀有な瞬間、
名づけられない情感を、 大島は見せつける。
 
大島作品は15〜16作ほどは 観ただろうか。
一見、突飛に思える ストーリー・テリングは、
むしろ正当な事柄へのこだわりか。
 
デヴィッド・ボウイ、坂本龍一を始めとして、
ジョニー大倉、大島組の 戸浦六宏らも鬼籍に入り、
 
メイン・キャストではたけしさん (共演経験あるゆえ敬称とさせて貰う)
だけがご存命かと思いきや、
原題のローレンスを演じた 年長のトム・コンティが存命と知る。

"女性"の存在は
ローレンスが語るエピソードに 仄めかされるのみの本作だが、
 決して”LGBT”には括れない一作であり、
映画史上、特異な位置を 占め続ける反戦映画と信じたい。
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