大橋美加8月2日No.343『西部戦線異状なし』1930年 アメリカ映画ルイス・マイルストン監督『西部戦線異状なし』(All Quiet on the Western Front)蝶は俳諧の季語に、春夏秋冬それぞれの他、『初蝶』『凍蝶』など多く存在する。短命で儚く美しい姿が、ひとの心を惹きつけてやまないのだろう。蝶は戦場に生きられるのか? 現れることはあるのか?本作『西部戦線異状なし』を初めて観たのは何10年前だったか。幻影と見るには生々しく蝶が現れるラストに、『慕情』('55)のラスト・シーンが重なったことを想い起こす。蝶は魂を運ぶのだろうか・・・第一次世界大戦に従軍したドイツ軍兵士たちの生きざま・死に様を描く反戦映画である本作、ユーモラスなシーンもあくまで物哀しさを滲ませる。主人公である10代のパウルの、痛ましくもドラマティックな成長物語は勿論のこと、人間味あふれる古参兵カチンスキーに扮したルイス・ウォルハイムの名演も忘れがたい。ルイス・マイルストン監督作品は"ア"の項で『雨』('30)"オ"の項で『オーシャンと十一人の仲間』('60)を紹介しているのでご参照を。
1930年 アメリカ映画ルイス・マイルストン監督『西部戦線異状なし』(All Quiet on the Western Front)蝶は俳諧の季語に、春夏秋冬それぞれの他、『初蝶』『凍蝶』など多く存在する。短命で儚く美しい姿が、ひとの心を惹きつけてやまないのだろう。蝶は戦場に生きられるのか? 現れることはあるのか?本作『西部戦線異状なし』を初めて観たのは何10年前だったか。幻影と見るには生々しく蝶が現れるラストに、『慕情』('55)のラスト・シーンが重なったことを想い起こす。蝶は魂を運ぶのだろうか・・・第一次世界大戦に従軍したドイツ軍兵士たちの生きざま・死に様を描く反戦映画である本作、ユーモラスなシーンもあくまで物哀しさを滲ませる。主人公である10代のパウルの、痛ましくもドラマティックな成長物語は勿論のこと、人間味あふれる古参兵カチンスキーに扮したルイス・ウォルハイムの名演も忘れがたい。ルイス・マイルストン監督作品は"ア"の項で『雨』('30)"オ"の項で『オーシャンと十一人の仲間』('60)を紹介しているのでご参照を。
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