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執筆者の写真大橋美加

No.343『西部戦線異状なし』

1930年 アメリカ映画
ルイス・マイルストン監督
『西部戦線異状なし』
(All Quiet on the Western Front)

蝶は俳諧の季語に、春夏秋冬それぞれの他、
『初蝶』『凍蝶』など多く存在する。

短命で儚く美しい姿が、ひとの心を惹きつけてやまないのだろう。


蝶は戦場に生きられるのか? 現れることはあるのか?



本作『西部戦線異状なし』を初めて観たのは

何10年前だったか。

幻影と見るには生々しく蝶が現れるラストに、
『慕情』('55)のラスト・シーンが重なったことを想い起こす。
蝶は魂を運ぶのだろうか・・・

第一次世界大戦に従軍したドイツ軍兵士たちの
生きざま・死に様を描く反戦映画である本作、
ユーモラスなシーンもあくまで物哀しさを滲ませる。

主人公である10代のパウルの、
痛ましくもドラマティックな成長物語は勿論のこと、

人間味あふれる古参兵カチンスキーに扮した
ルイス・ウォルハイムの名演も忘れがたい。


ルイス・マイルストン監督作品は
"ア"の項で『雨』('30)
"オ"の項で『オーシャンと十一人の仲間』('60)を
紹介しているのでご参照を。
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