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No.339『戦争のはらわた』

1977年 英・西独合作映画
サム・ペキンパー監督
『戦争のはらわた』
(Cross of Iron )

"Bloody Sam"の異名をもつペキンパーだが、
彼の作品のヴァイオレンス・シーンには"詩"を感じる。

もちろん、あのスロー・モーション効果も多大であるのだが、
すべてが理に適うエンタテインメント作品には存在しない
詩情がよぎるのだ。





彼のつきつけるヴァイオレンス・シーンは
脳と心を麻痺させ、怒りや涙を詩に変える。

ペキンパー唯一の
戦争映画である本作は、
アメリカ人監督作品には
珍しく、
ドイツ軍兵士の
目線で描かれる。
1943年、東部戦線に於ける
ドイツ軍の一中隊。

叩き上げ伍長に
ジェームズ・コバーン。

プロイセン貴族出身で
勲章(鉄十字章)目当てに
志願した大尉に
マクシミリアン・シェル。

重厚な大佐に
ジェームズ・メイスン。

両極のキャラである
コバーンとシェルの
やりとりが見もの。

戦闘シーンのカオスに、
耳慣れた『幼いハンス』(蝶々)のメロディが流れ、
コバーンの高笑いが響く!
救いのない戦場でさえ
私欲に惑わされる人間を
吹っ飛ばすかのように・・・

こんな戦争映画、唯一無二!

ちなみにペキンパー作品で
美加のfavoriteである
『ガルシアの首』は
"カ"の項で紹介してあるので
参照あれ。
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