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執筆者の写真大橋美加

No.331『ストロンボリ』

1949年  イタリア・アメリカ合作映画
ロベルト・ロッセリーニ監督
『ストロンボリ』(Stromboli, terra di Dio)

映画史上で監督と女優のロマンスはイヤというほど語り継がれてきたが、
相性"が良かったカップルばかりではない。

スウェーデンに生まれ、ハリウッドでスターになりながら、
すべてを投げうってイタリア人監督ロベルト・ロッセリーニに走った
イングリッド・バーグマン。
果たしてロッセリーニとバーグマンの相性は…?




少なくとも初のロッセリーニ作品である
本作『ストロンボリ』に於けるバーグマンは、
必死に見える。
それが果たして彼女本来の魅力を助長したのかは
観客それぞれに委ねられる。

作風に目を向けると、
同い年の巨匠ルキーノ・ヴィスコンティ作品『揺れる大地』('48)と響き合う、
ドキュメンタリー性を際立たせたつくり。

難民キャンプを出たいがために、
求愛されるがままに兵士と結婚し、
ストロンボリ島にやってきたヒロイン。


人間の営みは神のみぞ知る、と言わんばかりの自然描写。
火山を彷徨い、絶望に苛まれながら神に祈るバーグマンの脳裏には、
ロッセリーニとの前途がよぎっていたのだろうか…


少なくとも、安住しなかった大女優のターニング・ポイントとして、
映画ファンには一見の価値をもつ作品と信じる。
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