No.317『終電車』
- 大橋美加
- 2024年2月12日
- 読了時間: 1分
1980年 フランス映画 フランソワ・トリュフォー監督
『終電車』(LE DERNIER METRO)
両手に男を従えて、ステージから客席に笑顔をふりまく。
苦悩も葛藤も胸に仕舞い、仮面の笑顔を。
カトリーヌ・ドヌーヴにふさわしいラスト・シーンである!
舞台となるのは1942年、 ドイツ軍に占領されたパリ。
ドヌーヴ扮する『モンマルトル劇場』の看板女優は、
ユダヤ人で演出家である夫に代わり、劇場の灯を守っている。
そんな折にジェラール・ドパルデュー扮する新作の相手役が現れる・・・
才能ある年下の役者を、素気無くかわす看板女優。
敬愛している年かさ夫との間で揺れる心を
マネキン人形のような美しさで覆い隠すドヌーヴがイイ。
抑圧された官能美を表現できる女優なのである。



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