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No.317『終電車』

1980年 フランス映画 フランソワ・トリュフォー監督

『終電車』(LE DERNIER METRO)


両手に男を従えて、ステージから客席に笑顔をふりまく。

苦悩も葛藤も胸に仕舞い、仮面の笑顔を。

カトリーヌ・ドヌーヴにふさわしいラスト・シーンである!


舞台となるのは1942年、 ドイツ軍に占領されたパリ。

ドヌーヴ扮する『モンマルトル劇場』の看板女優は、

ユダヤ人で演出家である夫に代わり、劇場の灯を守っている。

そんな折にジェラール・ドパルデュー扮する新作の相手役が現れる・・・


才能ある年下の役者を、素気無くかわす看板女優。

敬愛している年かさ夫との間で揺れる心を

マネキン人形のような美しさで覆い隠すドヌーヴがイイ。

抑圧された官能美を表現できる女優なのである。



”恋のシネアスト”トリュフォーが、思う存分に奏でる、

苦境の恋のトライアングル。

恋情が深まり、堰を切ったようにあふれ出す瞬間の演出のうまさ。

観客の鼓動も高まり、映画館の暗闇が恋の色に染まるのだ!


生命が脅かされようとも、消すことはできない芸術のともしび、恋の炎。

目には見えない情熱を糧に、舞台に立ち続けた役者たち。

”バックステージもの”としても、忘れることの出来ない力作である。

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