No.302『ショウほど素敵な商売はない』
1954年 アメリカ映画 ウォルター・ラング監督
(There's No Business Like Show Business)
”バックステージもの”にヨワイ美加。
本作はまさに”Born in a trunk”だものねえ!観るたびに泣ける!
作詞作曲をわれらがアーヴィング・バーリンが手がけた
感動のミュージカル映画である。

1919年から始まるヴォードヴィリアン、ドナヒュー一家の物語。
圧倒的存在感の母にエセル・マーマン。
細身で長身の父にダン・デイリー。
夫婦で歌って踊り、年々こどもが増えてゆく滑り出しが微笑ましい。

生真面目で歌が得意な長男にジョニー・レイ。
素晴らしいダンサーで美人の長女にミッツィ・ゲイナー。
脇が甘いプレイボーイの末っ子にドナルド・オコナー。
3人きょうだいのバランスもゴキゲン。
そして、5人家族に新風を吹き込む野心あるセクシー・ガールに、
マリリン・モンロー!!!

マリリンだいすきな美加であるが、
本作では掛け値なしの彼女の底力を観ることができる。
あれだけセクシーな衣裳でお客に媚びる振付をして、
ニクめない個性はマリリン以外にありえない!
”After You Get What You Want”はマリリンの歌唱のなかでは
かなり高いランキングに入れたい出来なのに、
何故かコンピCDに入っていないのよね・・・
なにか訳があるのかしら?

母の強さを全身で示したエセル・マーマン。
彼女の歌も姿も決して好みではないが、
ラスト近くのソロ・シーンでは必ず涙、涙・・・
笑いと涙で心の憂さを吹き飛ばせる
ミュージカル作品は多くない。必見の一作!