1992年 アメリカ映画 ハル・ハートリー監督
(Simple Men)
”BOW”シリーズにまつわる想い出はいくつもある。
試写室で川喜多和子さん、 夫君の柴田駿さんと幾度もお話ししたこと。
お着物姿の御母堂かし子さんにご挨拶できたこと。 今では鎌倉の小町通りから小路を入った
『川喜多映画記念館』に
我が拙著『私の偏愛シネマガイド』が 所蔵されていること・・・
”BOW”シリーズでは珍しいアメリカ人作家ハル・ハートリー。
ジム・ジャームッシュを意識していないとは言わないだろうが、
オフビート感の、ビートが違う。
いきなり犯罪の現場、
しかもお見当違いの台詞を言う主人公。
主人公の弟、母が登場。
キイポイントはこの一家の父親。
さて、何処に・・・?
懐かしの”アメリカン・ニューシネマ”のテイストとも異なるが、
確かにうるさい台詞に辟易することはない。
ハートリーが切り取る”画”を見せられながら、
物語を後追いしていくような想いに駆られる。
倖せと不幸せの狭間に、真実があるのだろうか。
そんなラスト・ショットが美しい。
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