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No.293『少女ムシェット』

更新日:2023年9月18日

1967年 フランス映画 ロベール・ブレッソン監督

(Mouchett)


きれいなドレスは岸辺に置き去りにされたままだよ、

水面を流れるオフィーリアにさえなれないんだね・・・


ブレッソンは何故ここまで冷酷になれるのか。

いや、彼はひたすら見つめ続けるという勇気を持っていただけなのか。


狩猟者に執拗に銃弾を浴びせられながらも、

必死で逃げてゆく兎。

もう逃げ切れるかと思いきや、

ぱたっと動かなくなる、

暗示的な滑り出し。


貧しい暮らしに耐えながらも、

鋭い眼差しに力を秘めた少女ムシェット。

病身の母、

生後半年も経たない赤児、

粗野な父親。

学校でも孤独感をつのらせている。

ある日、彼女の人生をさらに

揺るがす事件が起こる。

なぜ?なぜ!と叫びたくなるが、声が出ない。

泣くなんておこがましいことは出来ない。


すさんだ暮らしで

無垢な魂が捨て鉢になってしまったのか。

それとも、誰でも良いから触れて欲しかったのか。


映画史上に遺るラストは、

お伽噺よりこわいが、

決して儚くはない。

ブレッソンの見せかたの巧みさに、しばらく動けない!

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