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No.273『ザ・コミットメンツ』

執筆者の写真: 大橋美加大橋美加

1991年 イギリス・アイルランド・アメリカ合作映画

アラン・パーカー監督 (The Commitments)


ダブリン・ソウル!「俺たちには黒人のソウルがわかる!」と

バンドを組んだ定職のない若者たちの物語。

「有名になったバンドには皆、”THE”がついている」らしい。

発起人でマネジャーとなるジミー宅は大家族。

エルヴィスの下に法皇様の写真を掲げる父と生活に追われる母、

同時に口をきく双子の妹、弟たちもいる様子。

次々にオーディションを受けに来る連中も、また可笑し。


いきいきとした市井の人々の描写に心が浮き立ってくる。

洗濯物がたなびくなかで練習するコーラス・ガール3人、 それぞれになまなましくてイイ。

好き勝手に遊ぶ子ら、市場、屠殺場などなど、

誰でも”ソウル”を持てるぞ!という気分になってくるが・・・

ハリウッド往年のバック・ステージものは好きだが、

ステージに辿りつくまでのストーリーには、遣る瀬なく苦笑い。

辿りついた者、放り出した者、どちらが幸せなのかはわからない。


アラン・パーカーは我々の世代に多様な映画を提供してくれた。

本作と響き合う音楽もの『フェーム』(’80)と観くらべるのも一興、

”エ”の項ではオカルト・スリラー『エンゼル・ハート』(87’)を紹介しているので参照を。


本作は”音楽”という言葉の字づらを見つめては想い出す、

愛すべき一作品である。








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