1946年 アメリカ映画 ロバート・モンゴメリー監督
(The Lady in the Lake)
実験的な映画は嫌いではない。 むしろ、興味をそそられるほう。 レイモンド・チャンドラー原作の映画化は数あるが、 本作はひときわ稀有な存在。 なにしろ全編、主人公フィリップ・マーロウの目線で 映し出されるのだから! 観客と主人公の目線を同一にという演出、 つまり他の役者は皆、カメラ目線で演技するということ。 では、主人公はどのように画面に登場するのか? それは・・・さあ、ご覧あれ!
![湖中の女.jpg](https://static.wixstatic.com/media/447444_8bf3d386639e4554b2a40a29f0371312~mv2.jpg/v1/fill/w_260,h_187,al_c,q_80,enc_auto/447444_8bf3d386639e4554b2a40a29f0371312~mv2.jpg)
チャンドラーの生んだ探偵P.マーロウに扮するのは 監督も手がけたロバート・モンゴメリー。 サスペンスを孕んだ実験的映画といえば、 同時代ですぐに浮かぶのは アルフレッド・ヒッチコック監督作『ロープ』(’48)であるが、 手法は全くの別モノ。
本作『湖中の女』は制約がありすぎるが、 監督が主演を兼ねるというケースゆえ、 前代未聞の”EXAMPLE”となった。
![湖中の女 (2)_edited.jpg](https://static.wixstatic.com/media/447444_3a8c4a6e70fc4130b27fb3ebe9c92520~mv2.jpg/v1/fill/w_230,h_206,al_c,q_80,enc_auto/447444_3a8c4a6e70fc4130b27fb3ebe9c92520~mv2.jpg)
美味しい役どころを演じきるのは、 フィルム・ノワールで真価を発揮した女優オードリー・トッター。 賛否両論ある作品には違いないが、”ハード・ボイルド”の文体を、 特異な演出で描いた果敢な一作と呼びたい。 そもそもマーロウは、 よく罠にハメられたり、殴られたりする。 本作では、そう、貴方が手錠をかけられた気分になるぞ・・・!
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