1965年 イギリス・アメリカ合作映画 ウィリアム・ワイラー監督 (The Collector)
”コ”から始まる手持ちのDVD作品を観なおしていこう。 意外に多く80作ほどあり、まずは本作を手に取る。 1970年代後半、10代であった美加のまわりには、 映画の魅力を教えてくれる”大人”が何人かいた。 「美加ちゃん、テレンス・スタンプ、知っている?」と けだるい眼差しで訊いた9歳年上の男性。 今おもえばバイ・セクシャルだったのかなあ。 不思議な美男子だった。
鮮やかな黄緑色の草原で蝶を捕まえる青年。 テレンス・スタンプの碧眼が妖しくきらめく。 地下室のある古い屋敷を見つける青年。 そして、次に彼が”収集”し始めるのは・・・
密かに想いをつのらせていた美大生を拉致する青年。 ターゲットに扮するサマンサ・エッガーが美人すぎないところが生々しい。 初めて観たときは、すっかり彼女の立場になり、恐怖と絶望に苛まれたっけ・・・
久々に観なおし、あたかも戯曲のような脚色を演じきった 二人の俳優の熱演以外にも、サイコ・スリラーというより、 寓話性を強く感じた。 価値観の違う男と女の、永遠に不毛な駆け引き。
折しも、現代の20代男女の恋愛経験率の少なさに関する 報道を見たばかりであり、コミュニケイションが 必須項目でない若者たちへの心配がつのってしまった。
ちなみにテレンス・スタンプは御年83歳、妖しくカッコイイ俳優であり続けている。
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