1966年 日本映画 鈴木清順監督
『ツィゴイネルワイゼン』(’80)にハマり、鈴木清順に興味を持った。
商業映画を作ってきたひととは思えない、 アヴァンギャルドな作品であったから。 その後の清順作品は観てゆくようになるのだが、 日活時代の作品としては、本作が初めてだったかも。 昭和初期の岡山、喧嘩に明け暮れる10代の 麒六(キロク)の青春が描かれる。
演じるのは21~22歳の高橋英樹、まさに大熱演。 スラプスティック・コメディよろしく、 繰り返されるドタバタ。 こいつら心底おバカなのかと呆れるうち、 ああ、性的抑制剤でもあるのねと嗤う。 男子は大変だ。
”画”の作り方が面白い。 当時、寺山修司の実験映画はなかり観ていたが、 似ているようで違う。 実体とまぼろしがパラレル・ワールドで 隣接しているような、不確かさ。 いやあ、この時代からアート系でしょう、鈴木清順! 「つかめるものは何もない」とぶつけてくる、やるせなさが痛い。 英樹、あの”ピアノ凌辱シーン”は、何を考えて演じたのだろう!?
悲劇のヒロイン・道子に扮するのは、我が継母・浅野順子(当時の芸名)。
美加のインタヴュー(笑)に、 「当時は高校生で、ショート・ヘアだったから、 あの長い髪は付け毛。 監督は変わったかただなあと思った」と語ってくれたっけ。
”ケ”から始まる手持ちのDVDは本作で終わりとし、
次回は”コ”から始まる作品を観なおしていきたい。
これが意外に多く80作ほどあり、さあ、どれを選ぼうか・・・
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